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2023年1月26日
相続税制度
相続税がかからない財産
遺産を相続することになった場合、相続税がどれくらいになるのかは、とても気になるところです。どんな財産にも相続税が課せられるわけではなく、相続税が課せられない財産という・・・
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2022年12月20日
相続税制度
相続税の課税対象財産
人が亡くなった際、一定以上の財産を所有していれば、その財産は相続税の対象になります。遺産と言われて、すぐに思いつくのが預貯金であったり、土地や建物であったり・・・
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2022年11月10日
相続税制度
相続税と贈与税の違い
日本には、「相続税法」という法律はありますが、「贈与税法」という法律はありません。「相続税法」の中に、贈与税に関する規定も含まれているという形式になっています。このような・・・
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2022年10月18日
相続税制度
相続税における小規模宅地等の特例とは
小規模宅地等の特例を使用すると、土地の評価額が最大80%軽減されるため、相続税も大きく軽減されます。この制度がある理由は、「相続税を払うために、不動産を売却し・・・
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2022年9月20日
相続税制度
相続税の配偶者控除とは
一定以上の遺産がある場合は、相続税を納める義務がありますが、亡くなった方の配偶者が遺産を取得した場合は、1億6000万円まで、相続税がかかりません。例えば、遺産が1億円・・・
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2022年8月1日
相続税計算
相続税の計算方法
相続税を計算するためには、まず遺産総額がいくらなのかを計算する必要があります。現金、預貯金、不動産など、プラスの財産はほとんどが遺産に入ります。また、生命保険金や・・・
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2022年6月28日
相続税制度
相続の空き家特例に関するQ&A
亡くなった方が住んでいた不動産を売却した場合に、税金が軽減される制度です。空き家を放置しておくと、老朽化によって空き家が倒壊したり、動物の住処になってしまうなど・・・
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相続税の申告が必要となるケース
1 相続税の申告が必要なケースが増加しました
相続税と言うと、「お金持ちの家の話だから、うちには関係ない」という印象を持つ方は少なくありません。
しかし、近年の法律改正により、相続税が課税される対象が大幅に増加することになりました。
今では、3000万円以上の財産があれば、相続税が課税される可能性があります。
3000万円には預貯金だけでなく不動産も含まれるため、マイホームをお持ちというだけで、相続税が課税される可能性があることが分かると思います。
2 相続税申告が必要かどうかのライン
相続税は、3000万円以上の財産がある場合に課税される可能性があります。
しかし、実際には、たとえば4000万円の財産を持っていても、相続税が課税されない場合もあります。
なぜかといいますと、今の日本の法律だと、相続人の人数が多ければ多いほど、相続税が課税されない仕組みになっているためです。
具体的には、相続人の人数が1人増えるごとに、600万円課税されなくなる仕組みになっています。
例えば、相続人が1人なら、基本となる3000万円と600万円をあわせて、3600万円まで課税されません。
相続人が4人なら、基本となる3000万円と、600万円×4=2400万円を合わせた、合計5400万円まで課税されません。
このように、相続税申告が必要なラインは、相続人の人数によって変わってきます。
3 相続税が0円なのに相続税の申告が必要なケースもある
結果的に相続税が0円であるにも関わらず、相続税の申告が必要なケースがあります。
例えば、夫が亡くなり、相続人として妻と長男がいたとします。
相続人が2人なので、4200万円までの遺産であれば、相続税は課せられません。
ところが、夫は9000万円の遺産を残していました。
このようなケースであっても、妻が全遺産を相続すれば、特例制度の利用によって、相続税を0円にすることができます。
しかし、特例制度は相続税の申告をしないと使えないため、結果的に相続税が0円であっても、相続税の申告をしなければなりません。
相続税の申告を依頼する税理士の選び方
1 すべての税理士が相続税に詳しいとは限らない
税金には、会社関係の税金や個人事業主関係の税金等、様々なジャンルがあります。
相続税は、そのジャンルの中の1つですが、税理士の中でも、相続税をほとんど扱ったことがないという税理士は珍しくありません。
実際に、年間の相続税の申告件数を税理士の数で割ると、税理士1人あたりでは平均して数件程度しか相続税の申告をしていないことになります。
つまり、税理士にとって、相続税という分野は必ずしもメジャーな分野であるとはいえない面があります。
2 相続税を中心に扱っている税理士を選びましょう
相続税は、申告内容によって、大きく税金の額が変わることがあります。
そのため、相続税を中心に扱っている税理士に依頼しないと、余計に税金を支払うことになってしまう可能性があります。
そこで、相続税の申告を依頼する場合は、その税理士が相続税を中心に取り扱っているかどうかをチェックすることが大切です。
3 土地の評価に詳しい税理士を選びましょう
相続税の申告で、税理士の力の差が最もよく表れるのは、土地の評価についてです。
たとえば、土地を1億円の価値と考えて相続税の申告をした場合は、それに応じた税金が課されます。
しかし、土地の形がいびつであるなどの事情から、土地の評価額は下げることができる場合があります。
土地の評価額を下げることができれば、その分相続税が軽減されます。
そのため、相続税の申告を依頼する場合は、その税理士が土地の評価に詳しいかどうかをチェックすることが大切です。
4 法律の専門家と提携している税理士を選びましょう
あらかじめ遺産の分け方が決まった状態でないと、相続税を軽減するための特例が使えない場合があります。
そのため、相続税の申告をする場合は、同時に遺産の分け方についても検討が必要です。
しかし、法律上、税理士は遺産の分け方に関する相談を受けることができないことになっています。
どのように遺産を分けることが適切かは、法律の専門家によるアドバイスが不可欠になります。
そのため、相続税の申告を依頼する場合は、法律の専門家と提携している税理士を選ぶことが大切です。
相続税はどのように計算されるのか
1 相続税の計算方法はとても複雑
国税庁は、ホームページで相続税の計算方法を発表しています。
参考リンク:国税庁・相続税の計算
しかし、専門用語も多数使用されており、一般の方にとっては理解しづらい内容になっている面もあります。
そこで、相続税の計算方法について、大まかなイメージをつかんでいただくため、簡易的な説明をしていきます。
2 まずは「取得した遺産の内容」を確定させる
相続税は、亡くなった方の遺産に対して課税されるため、まずは亡くなった方の遺産内容を確定させます。
たとえば、お父さんが亡くなり、お父さんが所有していた建物がある場合、その建物は遺産ということになります。
他方、その建物内に、お母さん所有のダイヤの指輪があった場合、それはお母さんの財産であるため、お父さんの遺産ではないということになります。
このように、相続税の計算をする場合、お父さんの遺産の内容をはっきりさせることから、スタートします。
また、相続税の計算上、死亡保険金や、生前贈与した財産も、遺産とみなされることがあります。
3 「遺産から引くことができる数字」を確定させる
遺産全体が把握できれば、次は「引くことができる数字」を確定させます。
たとえば、死亡保険金は、相続税の計算上遺産とみなされますが、一定の限度では非課税なので、非課税部分は遺産から除かれます。
また、葬儀費用や、亡くなった方の債務も、遺産から引くことができます。
4 相続税の総額を計算
以上のことを計算した結果出た数字を、課税価格といいます(課税価格は各相続人ごとに計算されます)。
各相続人の課税価格を合計すると、相続税の課税対象になる財産の総額が分かります。
その課税価格の総額から「基礎控除額」というものを引くことができます。
たとえば、課税価格の総額が5000万円で、相続人が3名の場合、「基礎控除額」は4800万円なので、差し引きで200万円が残ります。
この200万円に対して、相続税が課税されることになります。
5 詳細な計算方法は税理士にご相談ください
以上が、相続税の大まかな計算方法です。
端的にまとめると、遺産の概要を確定させ、そこから「基礎控除額」を引いて、残った金額に相続税が課税される、ということになります。
実際に相続税の金額を算出するにあたっては、他にも複雑な計算が必要となる場合があります。
さらに詳しい内容をお知りになりたい場合は、当法人の税理士までお気軽にご相談ください。
どのような財産が相続税の対象となるのか
1 どんな財産が相続税の対象になる?
相続税は、亡くなった方が所有していた財産に対して課税されるというイメージをお持ちの方は少なくありません。
確かに、大まかなイメージとしては間違っていないのですが、厳密に言うと不正確ということになります。
たとえば、亡くなった方が所有していた財産であっても相続税が非課税になるものもあれば、亡くなった方が所有していた財産ではないのに相続税の課税対象になる財産もあります。
ここでは、相続税の対象になる財産について説明します。
2 原則は亡くなっていた方が所有していた財産が課税対象
財産として真っ先に思い浮かぶのは、銀行に預けている預金、証券会社に預けている株式や投資信託、自宅等の不動産などでしょうか。
その他にも、自動車、バイク、宝石、貴金属などの、目に見える財産はもちろん、誰かにお金を貸している場合の債権、特許権、著作権など目に見えない財産も、亡くなった方が所有していた財産です。
これらの財産は、すべて相続税の課税対象になります。
3 亡くなった方の財産ではないが相続税の課税対象になるもの
法律的には、亡くなった方が所有していたわけではない財産であっても、相続税の課税対象になるものがあります。
たとえば、日本では生命保険の加入率がかなり高く、相続発生後は、生命保険金の請求を行うというケースが多くあります。
具体例として、お父さんが保険会社に保険料を支払い、お父さんが亡くなった際に、長男に1000万円の生命保険金が支払われたというケースを考えてみます。
この1000万円は、お父さんの財産ではなく、最初から長男の財産だったと考えられています。
そのため、1000万円の生命保険金はお父さんの財産ではないのですが、相続税法上はお父さんの財産として、相続税の課税対象になります。
4 亡くなった方の財産でも相続税が課税されないもの
たとえ、亡くなった方が所有していた財産であっても、相続税を課すべきでないと考えられている財産があります。
たとえば、墓地、墓石、仏壇など、祖先を祭るための財産です。
また、亡くなった方の財産で、相続税申告の期限までに国や地方公共団体などに寄付した財産についても、一定の条件を満たせば相続税が課せられません。
相続税申告に必要な費用
1 相続税申告に必要な費用とは
相続税の計算は、税務署がやってくれるわけではありません。
相続税申告をする際は、申告をする側で、相続税の計算をして、適切な税額を納付しなければなりません。
その際、相続税の申告書に記載された内容が正しいことを示すために、申告書を作成した際に参照した資料を添付することになります。
その資料を集めるための費用が、必ず発生します。
たとえば、相続税の申告で必要な資料として、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本があります。
戸籍謄本の種類によって、1通あたり750円か450円の費用が必要です。
また、亡くなった方が銀行に口座を持っていた場合、預金の残高証明が必要な場合があるため、残高証明書の発行手数料が必要になります。
残高証明書の発行手数料は、銀行ごとに異なります。
このように、相続税申告をする際は、資料集めの費用が必要になります。
2 専門家への報酬
専門家に相続税の申告を依頼した場合は、専門家への報酬も用意する必要があります。
専門家の報酬は、事務所ごとによって異なるため、一律の基準はありませんが、多くの事務所が遺産の総額に応じて、報酬が変わるような形になっています。
たとえば、遺産総額が5000万円以下であれば〇〇万円、遺産総額が7000万円以下であれば△△万円といった形です。
また、相続人の人数や、土地の数などによって、加算報酬が発生することもあります。
3 専門家に依頼した方が結果的に費用を抑えることができる?
「専門家に依頼すると費用が掛かるから自分で相続税の申告をしたい」と考える方は少なくありません。
しかし、専門家に依頼した方が結果的に費用を抑えることができる場合もあります。
たとえば、相続税の負担を軽くするための制度を使うことで、税金の負担を100万円以上軽くできる場合があります。
仮に相続税の負担を軽くするための制度を使えるのに使わなかったとしても、税務署が申告書を修正したりはしてくれない点に注意が必要です。
また、次の相続のときの相続税も考慮して、遺産の分け方を工夫することで、税金の負担を100万円以上軽くすることも不可能ではありません。
そのため、専門家に依頼した場合、専門家への報酬以上に費用を抑えることができる場合があります。
相続税の相談をするタイミング
1 生前対策は早いほど効果が出ます
⑴ 残された家族が困ってしまうかもしれません
資産をお持ちの方は、できるだけ多くの資産を、ご家族に残したいというお気持ちを抱くかと思います。
そのような中で、ある意味で大きな壁になるのが相続税です。
例えば、遺産の大部分が不動産で、預貯金があまりない場合、相続税の支払いはどうなるでしょうか。
遺産の中から相続税を支払うことができないため、相続人は自分の資産から、相続税を支払わなければなりません。
もし、相続税を支払うことができなければ、遺産の不動産を売却して、相続税を支払うことになります。
このように、しっかりと納税資金を用意しておかないと、残された家族が困ってしまうかもしれません。
⑵ 生前対策の相談のタイミング
先ほどの例のように、相続税の納税資金を用意しておかないと、残された家族が困ったことになってしまいます。
また、仮に遺産の中に十分な預貯金がある場合でも、生前対策をしっかり行っておけば、相続税を軽減できる場合があります。
特に、相続税を軽減するための対策は、早いうちから行った方が効果が高まります。
そのため、相続税の生前の相談は、できるだけ早くすることが大切です。
2 相続発生後も、相続税のご相談はお早めに
相続発生後は、相続税の申告を検討しなければなりません。
相続税の申告は、10か月という期限があります。
この10か月の間に、相続人の調査、遺産の調査、遺産の分け方の決定など、様々な手続きを行わなければなりません。
特に、遺産の分け方が決まっていない状態ですと、相続税を軽減するための特例が使えないようなケースもあるため、なるべく早く遺産の分け方を決める必要があります。
しかし、もし遺産の分け方でもめてしまった場合は、10か月以内に遺産の分け方が決まらないことも多くあります。
そのため、相続発生後は、できるだけ早いタイミングで相続税の相談をして、相続税の申告のタイムスケジュールについて、相続人全員で共通認識を作っておくことが重要です。
相続税を申告・納付する義務者
1 遺産を取得した人は、相続税の申告・納付が必要かもしれません
相続税は、文字通り相続した遺産に対して課せられる税金です。
そのため、遺産を受け取った場合は、相続税の申告・納付をしなければならない可能性があります。
「遺産を受け取る場合」とは、相続人に限ったことではありません。
例えば、Aさんが孫のBさんに土地を遺贈するような遺言書を作成した場合や、親しい友人であるCさんに1000万円を遺贈するようなケースでは、BさんやCさんが相続人でなくても、相続税の申告・納付が必要な場合があります。
2 遺産を受け取ってなくても、相続税の申告・納付が必要なことも
法律上遺産とは考えられていないお金を受け取ったようなケースでも、相続税の申告・納付が必要な場合があります。
例えば、Aさんが、「自分が亡くなった時に、友人のCさんに3000万円の生命保険金が支払われる」という内容の生命保険に加入していたとします。
生命保険金は、相続税の計算の上では、「みなし相続財産」と呼ばれ、相続税の課税対象になります。
つまり、遺産を受け取った場合だけでなく、「みなし相続財産」を受け取った場合も、相続税の申告・納付が必要になることがあります。
3 法人が遺産を受け取った場合はどうなるのか
遺産を受け取ったといっても、受け取ったのが法人の場合はどうなるでしょうか。
例えば、Aさんが自分の経営する会社に、1000万円を遺贈するという遺言書を作成していたようなケースが考えられます。
この場合、1000万円は相続税ではなく、法人税の申告対象になります。
そのため、原則として会社は相続税の申告・納付をする必要がありません。
4 遺産が一定額以下の場合は、相続税の申告・納付は不要
相続が発生したからといって、必ずしも相続税の申告・納付が必要とは限りません。
まず、遺産総額が3000万円以下であれば、原則として相続税の申告・納付は不要です。
また、相続人が1人増えるごとに、相続税が課せられない基礎控除額が600万円増えます。
ただし、相続放棄をした人がいる場合はどうなるのか、養子がいる場合はどうなるのかなど、考慮しなければならないことは多数あります。
相続税の申告・納付が必要かどうかは、一度専門家に相談することをおすすめします。
相続税の申告・納付を適切に行わないとどうなるのか
1 相続税には数多くのペナルティがある
相続税の大原則のルールは、まず期限を守ることです。
相続税の申告には、10か月という期限があります。
そのため、10か月以内に相続税の申告と、相続税の納付を完了させなければなりません。
次に、「適切な」申告をする必要があります。
仮に10か月の期限を守ることができたとしても、申告内容が不適切であれば、結果的にペナルティが発生してしまいます。
相続税のペナルティは、大きく分けて4種類あるため、順番にご説明します。
2 相続税の納付期限を守ることができなかった場合
10か月の期限を過ぎても、相続税を納付できなかった場合、延滞税という税金が課税されます。
イメージ的には、相続税に利息がつくようなものです。
しかし、利息だからたいしたことはないというイメージは危険です。
延滞税は、最大で14.6%であるため、決して安いものではありません。
参考リンク:国税庁・延滞税について
3 本来の財産額より少ない額で申告してしまった場合
仮に10か月の期限を守ることができても、不適切な申告をしてしまった場合、過少申告加算税が課せられます。
たとえば、預貯金はA銀行とB銀行にしかないと思っていたところ、実はC銀行にもあり、そこに2000万円の預貯金があった、というようなケースだと、本来申告すべき数字より2000万円少ない金額で申告したということになります。
こういう事態を防ぐためには、財産調査をしっかりと行う必要があります。
4 相続税の申告をしないといけないのに申告しなかった場合
相続税申告が必要であるにも関わらず、正当な理由なく申告しなかった場合、無申告加算税が課せられます。
正当な理由とは「災害、交通・通信の途絶」などを指すと考えられています。
参考リンク:国税庁・相続税、贈与税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて
そのため、「財産の調査を全然しなかったので、そんなに財産があるとは知らなかった」という言い訳は通用しないと考えた方がよいでしょう。
5 意図的に不正行為をした場合
財産を意図的に隠したり、資料を改ざんしたりする等して、不当に財産額を減少させる等、「意図的に相続税を減少させるような行為」をした場合、重加算税が課せられる場合があります。
資料の改ざんや偽造は、税金的なペナルティだけでなく、刑事罰を受ける可能性もあるため、絶対にやらないよう注意しましょう。
相続税計算シミュレーション
1 相続税の計算方法
相続税について多くの方が気にされるのは「どういった場合に、どれくらいの相続税を納めなければならないのか」という点ではないでしょうか。
そこで、遺産総額と、相続人の人数別に、相続税の概算について、ご説明します。
もっとも、細かいルールまで言及するときりがないため、ざっくりとした概算の説明になります。
2 遺産総額8000万円で、相続人が配偶者と子2人の場合
相続人が3人の場合、4800万円が基礎控除額です。
つまり、遺産総額8000万円から、4800万円を引いた3200万円に対して、相続税が課せられます。
今回のケースであれば、相続税額は350万円です。
この350万円を、遺産の取得割合に応じで、各相続人に振り分けます。
例えば、法律どおりの割合で遺産を分ければ、配偶者が190万円、子がそれぞれ80万円ずつ相続税を負担することになります。
もっとも、配偶者は、1億6000万円までは、相続税が課せられないため、配偶者の相続税の負担額は0円です。
3 遺産総額が2億4800万円で、相続人が配偶者と子2人の場合
先程と同じく、基礎控除は4800万円です。
そのため、遺産総額2億4800万円から、4800万円を引いた2億円に、相続税が課せられます。
今回のケースであれば、相続税の総額は3900万円です。
仮に、遺産の取得割合を、配偶者が2分の1、子Aが6分の2、子Bが6分の1とした場合、相続税の額は、配偶者が1950万円、子Aが1300万円、子Bが650万円になります。
もっとも、配偶者の税金が0円になるのは、先程と同じです。
4 細かい計算は税理士にご相談を
以上のシミュレーションは、かなり大まかな概算です。
実際には、相続税を軽くするための特例が複数存在するため、相続税の申告の際は、もっとも相続税が軽くなるような工夫を行います。
また、財産の評価方法によっては、遺産総額そのものを下げることができる場合があります。
そのため、相続税の相談をする際は、相続税に強い税理士に相談することが大切です。
相続税の対策に税理士が必要な理由
1 相続税の対策は事前準備が大切
相続税で問題になりやすいテーマが、いかにして納税資金を用意するかというものです。
たとえば、遺産が3億円あった場合、相続税の資金には困らないようにも思えますが、その3億円の大半が不動産だった場合はどうでしょうか。
遺産の中に現金や預貯金がない場合、相続人は自らの資産の中から、相続税を用意しなければなりません。
しかし、たとえば相続税で7000万円用意しないといけない、というケースの場合、相続人がそれだけの余裕資金を持っているとは限りません。
もし、相続税を用意できない場合は、相続した不動産などを売却して納税資金を用意するという方法もあります。
しかし、相続税の納付には、10か月という期限があります。
10か月以内に買い手が見つかるといいのですが、すぐに買い手が見つかるとは限りません。
また、「急ぎで現金が必要」という事情があると、足元を見られて、安く買いたたかれてしまう可能性もあります。
こういった事態を防ぐためには、生前のうちから、相続税の対策をしておく必要があります。
2 相続税の事前対策には税理士が必要
仮に、相続税の納税資金を用意するために、生前のうちから不動産を売却するという方向になったとします。
しかし、やみくもに不動産を売却することは、得策ではありません。
たとえば、一定の不動産については、最大で80%評価額を下げることができます。
評価額を下げることができれば、その分、遺産の総額が圧縮され、相続税の負担も軽くなります。
とすると、その不動産については、急いで売却する必要はなく、他の不動産を優先的に売却すべきということになります。
また、不動産の売却後、売却代金が入金されたとしても、不動産の売却代金をそのまま持っているより、生命保険などを利用すれば、相続税を軽くすることができます。
こういった、相続全体の対策をする上では、税金に関する法律を熟知した上で、手続きを進めることが大切です。
そのため、相続税の事前対策は、税理士のアドバイスが不可欠です。
3 相続発生後も税理士が必要
相続発生後は、相続税の申告を検討しなければなりません。
もし、不適切な相続税の申告をしてしまえば、税務署による調査が入ってしまう可能性があります。
たとえば、遺産の調査が不十分で、遺産が一部漏れたままで相続税の申告をしたり、不動産の評価額を誤って過少な申告をしてしまったりするようなケースが考えられます。
そこで、相続発生後は、税理士に相続税の申告を依頼し、適切な納税をすることが重要です。
特に、相続税の申告では、税金を軽くするための様々な特例があります。
この特例を利用するには、様々な条件があるため、税理士に相談しましょう。
ただし、全ての税理士が、相続税について詳しいわけではないため、相続税の案件をたくさん扱っている税理士に相談することが大切です。
相続税に詳しい専門家に相談するメリット
1 スピーディーな対応が可能
相続税の申告をする上で、大切なのがスピード感です。
相続税の申告期限は、原則として亡くなってから10か月です。
その間に、相続税の申告で必要になる資料を集めて、適正な納税額を計算しなければなりません。
相続税に詳しい税理士であれば、どういった場合に、どんな資料が必要なのかを最初から把握しているため、スピーディーな対応が可能です。
あまり相続税の申告の経験がない税理士であれば、どんな資料を集めればいいのかを把握していない状態からスタートしなければならない場合もあるため、スピーディーな対応が難しい可能性があります。
2 適正な相続税の申告を行うことができる
税理士であれば、誰が行っても、同じ相続税の申告書ができあがると考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、相続税の申告書の内容は、税理士によって異なることがあります。
例えば、相続税の申告をする上では、不動産の評価が必要になります。
なるべく不動産の評価額を下げた方が、相続税を軽くすることができるため、不動産の減額要因があるかをくまなく調査することが大切です。
このような調査や、計算は、高度なノウハウが必要になるため、相続税に詳しい税理士と、そうでない税理士では、結果に差が出ることも少なくありません。
3 次の相続についても検討が可能
相続税の申告をする上で、欠かせない考慮要素が、次の相続です。
たとえば、高齢の夫が亡くなり、妻と子が相続人だったとします。
特別な事情がなければ、次は妻の相続が発生し、その時に子が新たに相続税の申告をすることになります。
このように、比較的近い時期に2回の相続税の申告が必要になる場合は、1回目の申告と、2回目の申告で、どれくらいの相続税がかかるのかをシミュレーションしておく必要があります。
その結果次第で、夫の遺産をどの程度妻が相続すべきなのかどうかが決まってきます。
相続税に詳しい税理士であれば、こういった次の相続も見据えた上で、シミュレーションが可能です。
相続税の相談から申告までの期間
1 相続税の申告をするために必要な準備
相続税の申告をするためには、関係する資料を集め、相続税の申告書を作成する必要があります。
具体的には、まず戸籍謄本を集め、相続人の人数を確定させます。
次に、預貯金の残高証明書や、不動産に関する資料など、遺産に関する資料を集めます。
最後に、集めた資料に基づき、相続税の申告書を作成します。
2 最初の1か月で相続人の人数を確定させる
相続に関する手続きでは、まず戸籍謄本を集める必要があります。
戸籍謄本を集めることで、相続人の人数を確定することができます。
まずは、亡くなった方が生まれてから、亡くなるまでの戸籍謄本を集めます。
これによって、亡くなった方の配偶者や、子の人数が分かります。
もし、子が亡くなっていて、孫がいる場合は、孫が相続人になるため、必要な戸籍が増えます。
また、第2順位以降の人が相続人になる場合は、必要な戸籍がさらに増えることになります。
3 次の1か月で、遺産の調査を行う
相続人の人数が確定した後は、どのような遺産があるのかを調査します。
預貯金の調査を行う場合は、家にある通帳を調べたり、金融機関で残高証明書を取得したりすることになります。
他方、不動産を調査する場合は、家に届く固定資産税に関する書類を探します。
ただし、固定資産税が発生しないような不動産もあるため、市区町村で、不動産の一覧表を取得する必要があります。
4 次の1か月で、相続税の申告書を作成する
集めた資料に基づき、相続税の申告書を作成します。
特に、形状が特殊な土地や、近くに特殊な施設がある土地など、特別な評価が必要な土地がある場合は、その評価をする必要があります。
また、非上場株式のように、市場で値段が決められていない株式は、適切な評価が必要になります。
5 相続税の相談はお早めに
上記のように、3か月程度あれば、相続税の申告書が完成します。
ただし、相続人の人数、遺産の内容などによっては、これ以上の期間が必要になる場合もあります。
相続税の申告には期限があるため、早い段階で相続税の相談をすることが大切です。
当法人に相続税の相談をする流れ
1 お早めにご相談ください
相続税の申告は、ご家族が亡くなり、そのことを知った時から10か月以内に行う必要があります。
遺産の分け方が決まっているかどうかに関係なく、10か月以内の申告が義務付けられています。
しかし、相続税の申告をするためには、詳細な遺産の調査を行い、遺産の分け方を話し合うなど、様々な手続きを踏む必要があります。
そのため、10か月の期限ギリギリで税理士に相談しても、期限までに間に合わない可能性があります。
相続が発生した際は、なるべく早く税理士に相談することが大切です。
2 まずは電話やメールでお問い合わせ
ご相談のお申込みはフリーダイヤルまたはメールフォームから承っております。
フリーダイヤルは平日夜遅い時間までお電話がつながりますので、お問合せしていただきやすいかと思います。
受付担当のスタッフが丁寧に対応させていただきますので、初めての方もどうぞお気軽にご連絡ください。
3 初回相談の流れ
相続税は、一定額以上の遺産がある場合に発生する税金であるため、家族構成や遺産の内容によっては、相続税の申告が不要な場合があります。
そのため、相談者様の家族構成と遺産の内容について詳細をお伺いし、相続税の申告が必要かを確認します。
次に、相続税がどれくらいの額になるのかを大まかに試算し、相続税の申告のスケジュールについて、ご説明します。
特に、相続税の申告の期限に注意をしながら、今後の流れをお伝えします。
4 初回相談後の流れ
初回相談だけでは、相続税の申告が本当に必要かどうかが分からない場合があります。
そういったケースでは、相続税の申告が必要かどうかを判断するために、銀行の残高証明書や、不動産の名寄帳など、より詳細な遺産に関する資料が必要になります。
資料が集まり次第、2回目の相談を行い、より詳しいご説明をいたします。
相続税の過剰な支払いにご注意
1 知らないうちに、相続税を払い過ぎている?
日本で身近な税金は、「あらかじめ税額が決められている」ケースが多くあります。
たとえば、買い物をする際の税金は、商品を買う際に自動的に加算されているため、購入者が税金を計算することはありません。
また、会社勤めの方の税金は、給料から天引きされているため、税金を計算することはありません。
このように、多くの方が税金の計算をすることなく、あらかじめ決められた税金を納めています。
しかし、相続税は、国や会社が税金の計算をしてくれるわけではありません。
納税者が自分で税金の計算をして、相続税を納付することになります。
仮に、相続税を安くするための制度を使い忘れて、余分に相続税を納めても、税務署がその旨を指摘して、自動的に税金を返してくれるということはありません。
そのため、相続税は、知らず知らずのうちに過剰に払っている可能性があります。
2 土地の評価方法で見落としがあるケース
相続税の申告で、見落としやすいのが、土地の評価です。
たとえば、線路沿いにある土地や、高圧線の下にある土地は、評価額が下がる可能性があります。
また、土地がきれいな形ではなく、いびつな形をしている場合や、お墓が隣にあるような土地も、評価額が下がる可能性があります。
土地の評価額が下がれば、遺産総額が下がり、結果的に相続税の負担が軽くなります。
3 相続税を軽くする特例を見落としているケース
相続税を軽くするための特例は、数多くあります。
たとえば、配偶者が遺産を相続した場合、1億6000万円までは相続税がかかりません。
他にも、相続人が未成年者だった場合や、障害者だった場合は、相続税の負担が軽くなります。
このような相続税の負担を軽くするための特例を漏れなく使わないと、余計な税金を払うことになります。
4 相続税に強い専門家に相談しましょう
専門家にも得意分野というものがあり、相続税を得意とする専門家と、あまり相続税を扱っていない専門家がいます。
相続税に慣れていない専門家が相続税の申告をすると、うっかり相続税の負担を軽くするための制度を見落としてしまうかもしれません。
相続税の相談をする際は、相続税に強い専門家に相談することが大切です。
相続税に関する代表的な特例
1 相続税に関する特例とは?
相続税には、様々な理由から、相続税の負担を軽くするための特例が用意されています。
せっかく用意された制度である以上、使わないともったいないと言えるでしょう。
そこで、今回は相続税に関する代表的な特例についてご説明します。
2 土地の評価額を下げる小規模宅地等の特例
たとえば、亡くなったお父さんが住んでいた自宅を相続する場合、一定の条件を満たせば、その土地の評価額を最大で8割減額することができる制度です。
また、亡くなったお父さんが、事業のために使っていた土地や、不動産貸付業のために使っていた土地についても、評価額を下げることができる場合があります。
土地の評価額を下げることができれば、その分遺産総額が少ないということになり、相続税が軽くなります。
たとえば、1000万円の土地の評価額を8割下げることができれば、その土地は相続税申告上200万円の財産ということになり、遺産が800万円減少したのと同じ効果があります。
3 配偶者の税金負担を軽くする配偶者控除
配偶者が遺産を相続した場合、1億6000万円まで、もしくは法定相続分のどちらか高い方まで、税金の控除を受けることができます。
つまり、配偶者が遺産を相続しても、多くのケースで相続税が0円になる場合があるということです。
ただし、その配偶者が亡くなった時に、相続税が跳ね上がる可能性があるので、注意が必要です。
4 その他の制度については、専門家にご相談を
上記2つが、相続税の負担を大きく軽減する制度の代表例といえるでしょう。
しかし、上記2つ以外にも、様々な制度が用意されています。
たとえば、相続人の中に未成年者がいる場合や、障害者がいる場合、相続税の負担を軽くするための制度があります。
また、たとえばお父さんが亡くなってすぐに、お母さんが亡くなってしまった場合に相続税の負担を軽減するための制度もあります。
他方で、遺産を渡す相手によっては、相続税が2割加算されるという制度もあります。
このように、相続税は様々な制度を把握した上で、申告をしなければなりません。
相続税でお悩みの方は、一度税理士にご相談ください。