相続税についての税理士の選び方
1 「税理士は誰でも同じ」という考え方は危険
税理士という資格を持った人を前にすると、「税金のことは何でも詳しい」という印象を抱きがちです。
しかし、全ての税理士が、相続税に詳しいとは限りません。
医師の業界に皮膚科、眼科、整形外科といった様々な分野があるように、税金にも様々な分野があります。
その中でも、相続税という分野は、メジャーな分野とは言えない一面があります。
もし、相続税に詳しくない税理士に依頼した場合、結果的に余分な税金を納めることになるということもあり得ます。
そこで、相続税の申告をする際は、相続税に強い税理士を選ぶ必要があります。
2 相続税を集中的に扱っている税理士を選びましょう
色々な分野を扱っている税理士より、相続税を集中的に扱っている税理士の方が、相続税に関するノウハウや実績を多く蓄積しています。
たとえば、年間2件程度しか相続税の申告をしない税理士と、年間50件の相続税の申告をしている税理士とでは、実績に25倍の差があることになります。
相続税の申告件数が少なければ、ノウハウが不十分で、資料集めや法令調査に時間がかかってしまい、うっかりミスや、調査不足で不適切な相続税の申告をしてしまう可能性があります。
そういった事態を防ぐために、相続税を集中的に扱っている税理士を選ぶことが重要です。
3 複数の税理士が所属している税理士法人を選びましょう
相続税を集中的に扱っていても、個人で扱うことができる件数には限界があります。
複数の税理士が所属している税理士法人であれば、各税理士が行った件数の合計数分のノウハウが蓄積されます。
たとえば、税理士が1人だけの事務所で、その税理士が年間100件もの相続税の申告をしていたとしても、蓄積できるノウハウは年間100件分だけです。
他方、5人の税理士が所属する税理士法人で、各税理士が年間50件ずつ相続税の申告をしている場合、税理士法人全体で見れば、年間250件ものノウハウが蓄積されます。
このように、個人の税理士と、税理士法人では、相続税の実績に差が生まれやすくなります。
そのため、相続税の申告を依頼するなら、複数の税理士が所属している税理士法人を選ぶことが大切です。
4 次の相続のことまで踏まえたアドバイスをしてくれるかどうか
たとえば、夫が亡くなり、相続人として妻と子がいるとします。
夫が高齢で亡くなり、妻も近い年齢の場合、妻もあまり遠くないうちに亡くなってしまう可能性があります。
妻が亡くなった場合は、妻についても相続税の申告を検討しなければなりません。
つまり、ご夫婦の場合は、短い期間の間に、2回相続税の申告が必要になる場合があるのです。
このようなケースでは、夫が亡くなった時の遺産の分け方によって、妻の相続の時に相続税額が大きく左右されます。
そのため、相続税の申告をする際は、次の相続の事も踏まえて、遺産の分け方を決める必要があります。
5 スピーディーな対応が可能かどうか
相続税の申告は、10か月という期限があります。
10か月の間に、相続人の人数を確定させ、遺産の調査を行い、遺産の分け方まで決めるということを考えると、あまり時間に余裕はありません。
たとえば、相続人の人数を確定させるためには、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を取り寄せる必要があり、それなりに時間が必要です。
また、遺産の調査も、金融機関で手続きしてから、調査結果が出るまで、時間がかかります。
さらに、10か月の期限は、納税の期限でもあります。
そのため、相続税の支払いのために、遺産の預貯金を解約しなければならない場合もあり、その時間も必要です。
このように、相続税に関する手続きは、スケジュールがタイトなため、スピーディーな対応が可能な税理士に相談することが大切です。
6 相続税申告でお悩みの方はご相談ください
当法人には、相続税申告を集中的に行い、得意としている税理士がいます。
当法人全体で相続税の知識やノウハウを共有し、よりスピーディーかつ的確に対応をさせていただけるようにしていますので、複雑なものにつきましても安心してお任せいただけます。
京都で相続税申告のご相談をお考えの方は、当法人までご相談ください。
相続税の相談をするタイミング
1 生前対策は早いほど効果が出ます
⑴ 残された家族が困ってしまうかも?
資産をお持ちの方は、できるだけ多くの資産を、ご家族に残したいと思うでしょう。
そのような中で、ある意味で大きな壁になるのが相続税です。
たとえば、遺産の大部分が不動産で、預貯金があまりない場合、相続税の支払いはどうなるでしょうか。
遺産の中から相続税を支払うことができないため、相続人は自分の資産から、相続税を支払わなければなりません。
もし、相続税を支払うことができなければ、遺産の不動産を売却して、相続税を支払うことになります。
このように、しっかりと納税資金を用意しておかないと、残された家族が困ってしまうかもしれません。
⑵ 生前対策の相談のタイミング
先ほどの例のように、相続税の納税資金を用意しておかないと、残された家族が困ったことになってしまいます。
また、仮に遺産の中に十分な預貯金がある場合でも、生前対策をしっかり行っておけば、相続税を軽減できる場合があります。
特に、相続税を軽減するための対策は、早いうちから行った方が効果が高まります。
そのため、相続税の生前の相談は、できるだけ早くすることが大切です。
2 相続発生後も、相談はお早めに
相続発生後は、相続税の申告を検討しなければなりません。
相続税の申告は、10か月という期限があります。
この10か月の間に、相続人の調査、遺産の調査、遺産の分け方の決定など、様々な手続きを行わなければなりません。
特に、遺産の分け方が決まっていない状態だと、相続税を軽減するための特例が使えないようなケースもあるため、なるべく早く遺産の分け方を決める必要があります。
しかし、もし遺産の分け方でもめてしまった場合は、10か月以内に遺産の分け方が決まらないことも多くあります。
そのため、相続発生後は、できるだけ早いタイミングで相続税の相談をして、相続税の申告のタイムスケジュールについて、相続人全員で共通認識を作っておくことが重要です。
相続税計算シミュレーション
1 相続税の計算方法
相続税の細かい計算方法はさておき、皆様が気になるのは「どういった場合に、どれくらいの相続税を納めなければならないのか」という点ではないでしょうか。
そこで、遺産総額と、相続人の人数別に、相続税の概算について、ご説明します。
もっとも、細かいルールまで言及するときりがないため、ざっくりとした概算の説明になります。
2 遺産総額8000万円で、相続人が配偶者と子2人の場合
相続人が3人の場合、4800万円が基礎控除額です。
つまり、遺産総額8000万円から、4800万円を引いた3200万円に対して、相続税が課せられます。
今回のケースであれば、相続税額は350万円です。
この350万円を、遺産の取得割合に応じで、各相続人に振り分けます。
たとえば、法律どおりの割合で遺産を分ければ、配偶者が190万円、子がそれぞれ80万円ずつ相続税を負担することになります。
もっとも、配偶者は、1億6000万円までは、相続税が課せられないため、配偶者の相続税の負担額は0円です。
3 遺産総額が2億4800万円で、相続人が配偶者と子2人の場合
先程と同じく、基礎控除は4800万円です。
そのため、遺産総額2億4800万円から、4800万円を引いた2億円に、相続税が課せられます。
今回のケースであれば、相続税の総額は3900万円です。
仮に、遺産の取得割合を、配偶者が2分の1、子Aが6分の2、子Bが6分の1とした場合、相続税の額は、配偶者が1950万円、子Aが1300万円、子Bが650万円になります。
もっとも、配偶者の税金が0円になるのは、先程と同じです。
4 細かい計算は税理士にご相談を
以上のシミュレーションは、かなり大まかな概算です。
実際には、相続税を軽くするための特例が複数存在するため、相続税の申告の際は、もっとも相続税が軽くなるような工夫を行います。
また、財産の評価方法によっては、遺産総額そのものを下げることができる場合があります。
そのため、相続税の相談をする際は、相続税に強い税理士に相談することが大切です。
相続税の対策に税理士が必要な理由
1 相続税の対策は事前準備が大切
相続税で問題になりやすいテーマが、いかにして納税資金を用意するかというものです。
たとえば、遺産が3億円あった場合、相続税の資金には困らないようにも思えますが、その3億円の大半が不動産だった場合はどうでしょうか。
遺産の中に現金や預貯金がない場合、相続人は自らの資産の中から、相続税を用意しなければなりません。
もし、相続税を用意できない場合は、相続した不動産を売却して納税資金を用意するという方法もあります。
しかし、相続税の納付には、10か月という期限があります。
そのため、急いで不動産を売却することになり、足元をみられやすくなってしまいます。
こういった事態を防ぐためには、生前のうちから、相続税の対策をしておく必要があります。
2 相続税の事前対策には税理士が必要
仮に、相続税の納税資金を用意するために、生前のうちから不動産を売却するという方向になったとします。
しかし、やみくもに不動産を売却することは、得策ではありません。
たとえば、一定の不動産については、最大で80%評価額を下げることができます。
とすると、その不動産については、急いで売却する必要はなく、他の不動産を優先的に売却すべきということになります。
また、不動産の売却代金をそのまま持っているより、生命保険などを利用すれば、相続税を軽くすることができます。
こういった、相続全体の対策をする上では、税金に関する法律を熟知した上で、手続きを進めることが大切です。
そのため、相続税の事前対策は、税理士のアドバイスが不可欠です。
3 相続発生後も税理士が必要
相続発生後は、相続税の申告を検討しなければなりません。
もし、不適切な相続税の申告をしてしまえば、税務署による調査が入ってしまう可能性があります。
そこで、相続発生後は、税理士に相続税の申告を依頼し、適切な納税をすることが重要です。
特に、相続税の申告では、税金を軽くするための様々な特例があります。
この特例を利用するには、様々条件があるため、税理士に相談しましょう。
相続税に強い専門家に相談するメリット
1 スピーディーな対応が可能
相続税の申告をする上で、大切なのがスピード感です。
相続税の申告期限は、原則として亡くなってから10か月です。
その間に、相続税の申告で必要になる資料を集めて、適正な納税額を計算しなければなりません。
相続税に強い税理士であれば、どういった場合に、どんな資料が必要なのかを最初から把握しているため、スピーディーな対応が可能です。
あまり相続税の申告の経験がない税理士であれば、どんな資料を集めればいいのかを把握していない状態からスタートしなければならない場合もあるため、スピーディーな対応が難しい可能性があります。
2 適正な相続税の申告を行うことができる
税理士であれば、誰が行っても、同じ相続税の申告書ができあがると考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、相続税の申告書の内容は、税理士によって異なることがあります。
たとえば、相続税の申告をする上では、不動産の評価が必要になります。
なるべく不動産の評価額を下げた方が、相続税を軽くすることができるため、不動産の減額要因があるかをくまなく調査することが大切です。
このような調査や、計算は、高度なノウハウが必要になるため、相続税に強い税理士と、そうでない税理士では、結果に差が出ることも少なくありません。
3 次の相続についても検討が可能
相続税の申告をする上で、欠かせない考慮要素が、次の相続です。
たとえば、高齢の夫が亡くなり、妻と子が相続人だったとします。
特別な事情がなければ、次は妻の相続が発生し、その時に子が新たに相続税の申告をすることになります。
このように、比較的近い時期に2回の相続税の申告が必要になる場合は、1回目の申告と、2回目の申告で、どれくらいの相続税がかかるのかをシミュレーションしておく必要があります。
その結果次第で、夫の遺産をどの程度妻が相続すべきなのかどうかが決まってきます。
相続税に強い税理士であれば、こういった次の相続も見据えた上で、シミュレーションが可能です。
相続税の相談から申告までの期間
1 相続税の申告をするために必要な準備
相続税の申告をするためには、関係する資料を集め、相続税の申告書を作成する必要があります。
具体的には、まず戸籍謄本を集め、相続人の人数を確定させます。
次に、預貯金の残高証明書や、不動産に関する資料など、遺産に関する資料を集めます。
最後に、集めた資料に基づき、相続税の申告書を作成します。
2 最初の1か月で相続人の人数を確定させる
相続に関する手続きでは、まず戸籍謄本を集める必要があります。
戸籍謄本を集めることで、相続人の人数を確定することができます。
まずは、亡くなった方が生まれてから、亡くなるまでの戸籍謄本を集めます。
これによって、亡くなった方の配偶者や、子の人数が分かります。
もし、子が亡くなっていて、孫がいる場合は、孫が相続人になるため、必要な戸籍が増えます。
また、第2順位以降の人が相続人になる場合は、必要な戸籍がさらに増えることになります。
3 次の1か月で、遺産の調査を行う
相続人の人数が確定した後は、どんな遺産があるのかを調査します。
預貯金の調査をする場合は、家にある通帳を調べたり、金融機関で残高証明書を取得したりすることになります。
他方、不動産を調査する場合は、家に届く固定資産税に関する書類を探します。
ただし、固定資産税が発生しないような不動産もあるため、市区町村で、不動産の一覧表を取得する必要があります。
4 次の1か月で、相続税の申告書を作成する
集めた資料に基づき、相続税の申告書を作成します。
特に、形状が特殊な土地や、近くに特殊な施設がある土地など、特別な評価が必要な土地がある場合は、その評価をする必要があります。
また、非上場株式のように、市場で値段が決められていない株式は、適切な評価が必要になります。
5 相続税の相談はお早めに
上記のように、3か月程度あれば、相続税の申告書が完成します。
ただし、相続人の人数、遺産の内容などによっては、これ以上の期間が必要になる場合もあります。
相続税の申告には期限があるため、早い段階で相続税の相談をすることが大切です。
当法人に相続税の相談をする流れ
1 お早めにご相談ください
相続税の申告は、ご家族が亡くなり、そのことを知った時から10か月以内に行う必要があります。
遺産の分け方が決まっているかどうかに関係なく、10か月以内の申告が義務付けられています。
しかし、相続税の申告をするためには、詳細な遺産の調査を行い、遺産の分け方を話し合うなど、様々な手続きを踏む必要があります。
そのため、10か月の期限ギリギリで税理士に相談しても、期限までに間に合わない可能性があります。
相続が発生した際は、なるべく早く税理士に相談することが大切です。
2 まずは電話やメールでお問い合わせ
ご相談のお申込みはフリーダイヤルまたはメールフォームから承っております。
フリーダイヤルは平日夜遅い時間までお電話がつながりますので、お問合せしていただきやすいかと思います。
受付担当のスタッフが丁寧に対応させていただきますので、初めての方もどうぞお気軽にご連絡ください。
3 初回相談の流れ
相続税は、一定額以上の遺産がある場合に発生する税金であるため、家族構成や遺産の内容によっては、相続税の申告が不要な場合があります。
そのため、相談者様の家族構成と遺産の内容について詳細をお伺いし、相続税の申告が必要かを確認します。
次に、相続税がどれくらいの額になるのかを大まかに試算し、相続税の申告のスケジュールについて、ご説明します。
特に、相続税の申告の期限に注意をしながら、今後の流れをお伝えします。
4 初回相談後の流れ
初回相談だけでは、相続税の申告が本当に必要かどうかが分からない場合があります。
そういったケースでは、相続税の申告が必要かどうかを判断するために、銀行の残高証明書や、不動産の名寄帳など、より詳細な遺産に関する資料が必要になります。
資料が集まり次第、2回目の相談を行い、より詳しいご説明をいたします。